アメリカン・ミュートスコープ社の作品 1896年
当時のアメリカ映画界はエジソン社だけしか存在しなかったわけではない。有力の競合会社として、アメリカン・ミュートスコープ社(後のバイオグラフ社)が存在した。この会社には、キネトスコープの開発者であるW・K・L・ディクソンが所属していた。アメリカン・ミュートスコープは映写機やカメラといったハード面だけではなく、ソフト面でもエジソン社を追随し、初期アメリカ映画界を活性化させていくことになる。
「RIP VAN WINKLE」(1896)
アメリカン・ミュートスコープ社(後にバイオグラフ社となる)の作品。
リップ・ヴァン・ウィンクルはアメリカでは有名な物語で、舞台版に出演していた当時の有名な役者であるジョゼフ・ジェファーソンが出演している。
30秒ほどのシーンが、8つに分かれており、続けてみると1つのストーリーと成るようになっている。元々はエジソン社のキネトスコープに対抗して、キネトスコープの開発者であるW・K・L・ディクソンが開発した覗き見式の機械である「ミュートスコープ」用に作られた作品であり、8台のミュートスコープを覗くことで(8台分の料金を払うことで)1連の物語を見ることができるという仕組みになっている。
8つのエピソードをすべて合わせても4分程度で、それほど内容があるわけではない。最初からストーリーが知らないと、何をやっているのかよくわからないともいえる。
ちなみに、この作品のカメラマンは後にバイオグラフ社でD・W・グリフィスと出会い、グリフィスの片腕となるビリー・ビッツァーが担当している。ビッツァーは映画の最初期からカメラマンとして活躍していたのだ。
(DVD紹介)
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