フランス ゴーモン社の作品 1898年
「L’AVEUGLE FIN DE SIECLE」(1898)
英語題「THE TURN-OF-THE-CENTURY BLIND MAN」 製作国フランス
Société des Etablissements L. Gaumont 監督アリス・ギイ
ベンチに座る男をめぐるちょっとしたコント。寄席の出し物を撮影したかのようなスタイル。このような作品も当時多く作られた。
「CHEZ LE MAGNETISEUR」(1898)
英語題「AT THE HYPNOTIST'S」 製作国フランス
Société des Etablissements L. Gaumont 監督アリス・ギイ
催眠術師が、催眠術をかけた男性の服を一瞬にして脱がせたり、別の服を着せたりする。
ストップ・モーションを使った映像トリックが使われている。ジョルジュ・メリエスの影響のもと、作られた作品だろう。
「LES CAMBRIOLEURS」(1898)
英語題「THE BURGLARS」 製作国フランス
Société des Etablissements L. Gaumont 監督アリス・ギイ
屋根の上を舞台に、2人の泥棒と2人の警官の追いかけっこを描く。
セットでカメラは固定で撮影されている。これもヴォードヴィルの出し物を撮影したような作品で、同時期の他社作品にも見られる。セットの作りが少し面白い。
「SCENE D'ESCAMOTAGE」(1898)
英語題「DISAPPEARING ACT」 製作国フランス
Société des Etablissements L. Gaumont 監督アリス・ギイ
奇術師が女性の姿を消したり、猿に変身させたりする。
ストップ・モーションを使った映像トリックを使った作品。ジョルジュ・メリエスの影響を受け、模倣した作品であることがうかがわれる。奇術師の扮装もメリエスに似ている。しかし、元々が舞台の奇術師だったメリエスの動きの軽やかさや間の取り方と比較すると、エンターテイナーとしての完成度は低い。逆に、メリエスのエンターテイナーとしての資質の高さを再認識した。
「SURPRISE D’UNE MAISON AU PETIT JOUR」(1898)
英語題「SURPRISE ATTACK ON A HOUSE AT DAYBREAK」 製作国フランス
Société des Etablissements L. Gaumont 監督アリス・ギイ
建物を襲撃する兵士たちの様子を撮影。
野外ロケと思われる作品で、巻きあがる砲煙などとともにリアリティある作品になっている。戦場は草創期の映画におけるスペクタクルの1つとして珍重された。製作された1898年は、米西戦争が起こった年でもある。アメリカでは米西戦争の戦場を撮影したとされた(実際は再現された)作品が多く作られた。その影響も受けて作られた作品だろうと思われる。