フランス・パテ社、フェルディナン・ゼッカの作品 1902年
「アリ・ババと40人の盗賊」
「開けゴマ!」でおなじみの千一夜物語から取られた題材。フェルディナン・ゼッカが監督。
この作品は原作を知っていることを前提として作られているように思える。盗賊のボスが、部下たちを壷に入れて運ぼうとしたくだりは、説明がないために原作を知らないと何が何だかさっぱりわからないだろう。
この当時の作品には、元ネタを知っていることを前提で製作されたものがほとんどだ。まだ映画の「語る技術」が完成されていなかったことがその最大の要因だろう。
この作品でも、剣で首をはねるシーンがある。人形との入れ替えのトリックだが、迫真性がある。
モノクロ版と彩色版の2種類がある。彩色版はラストシーンが綺麗で、そのためにわざわざ撮影されたのではないかと思えてくるほどだ。
(ビデオ紹介)
「フランス映画の誕生」
ジュネス企画から発売されている初期フランス映画の作品集のビデオ。