エジソン社の作品 1904年(8)

「SAN FRANCISCO CHINESE FUNERAL」 

 サンフランシスコのチャイナタウンで行われた葬列の様子を撮影


「TRELOAR AND MISS MARSHALL, PRIZE WINNERS AT THE PHYSICAL CULTURE SHOW IN MADISON SQUARE GARDEN」 

 男性と女性がポーズを取り、肉体美を披露する様子を撮影。
 マジソン・スクエア・ガーデンでと書かれているが、真っ黒な背景から撮影所で撮影されたものと思われる。
 男性はいわゆるボディ・ビルダーで筋肉を誇示しているが、女性は少しぽっちゃりしている。


「JAPANESE ACROBATS」 

 日本人の2人組が曲芸を見せる様子を撮影。


「BUSTER’S DOG TO THE RESCUE」 

 バスターは母親が棚の上にしまった箱を取りたいが届かない。そこに、飼っている犬がやって来て、取ってくれる。
 ワン・ショットで舞台のちょっとしたコントを撮影したような作品。少年バスターと犬が登場する一連のシリーズの1本。


「BUSTER AND TIGE PUT A BALOON VENDOR OUT OF BUSINESS」 

 風船売りを見つけたバスターは、母親にねだるが買ってくれない。そこに大量の犬がやって来て、風船売りは風船を手放してしまう。
 ワン・ショットで舞台のちょっとしたコントを撮影したような作品。少年バスターと犬が登場する一連のシリーズの1本。


「BUSTER AND THE DUDE」 

 バスターが母親と歩いていると、紳士と出会う。そこに犬がやって来て、紳士の帽子を奪ってしまう。
 ワン・ショットで舞台のちょっとしたコントを撮影したような作品。少年バスターと犬が登場する一連のシリーズの1本。


「BUSTER MAKES ROOM FOR HIS MAMA AT THE BARGAIN COUNTER」 

 バーゲン会場で多くの女性たちが悪戦苦闘いる。母親を助けるために、バスターは犬に吠えさせて他の女性たちを追い払ってしまう。
 ワン・ショットで舞台のちょっとしたコントを撮影したような作品。少年バスターと犬が登場する一連のシリーズの1本。


「BUSTER’S REVENGE ON THE TRAMP」 

 家に侵入してきた浮浪者を、バスターの愛犬が追い払う。
 ワン・ショットで舞台のちょっとしたコントを撮影したような作品。少年バスターと犬が登場する一連のシリーズの1本。


「MANIAC CHASE」 

 監督エドウィン・S・ポーター
 ナポレオンと思われる男性が、監獄から脱獄。それを見つけた監視と森の中の追いかけっこを繰り広げる。
 主人公がナポレオンであることの必然性を全く感じないが、楽しい作品である。タイトル通り、ひたすらチェイスチェイスチェイスの連続なのだ。途中で、樽に隠れて逃げたり、木に登ったり、見張りの兵隊のフリをしたりというナポレオンの行動は、追いかけてくる人々を煙に巻くことは決してなく、それが逆に面白く感じられた。
 内容は何もない。とにかくチェイスの連続で、いろいろと工夫を凝らそうという意思が感じられる。映画は、それだけで十分面白くなる。


「RUBE COUPLE AT COUNTRY FAIR」 

 監督エドウィン・S・ポーター
 田舎のお祭りの様子と、そこにやって来た2人の夫婦の様子を撮影。
 夫婦はあくまでもおまけであり、メインはお祭りの様子である。後にキーストン社を主宰するマック・セネットは、こうした祭りを背景にして個性的なキャラクターを使ったドタバタを即興的に撮影したが、この作品はあくまでも祭りを撮影したものとなっている。


「CAPTURE OF THE 'YEGG' BANK BURGLARS」(1904) 

 製作国アメリカ エディソン・マニュファクチュアリング・カンパニー製作・配給
 別題「ROUNDING UP OF THE 'YEGGMEN'」
 銀行強盗をした男たちが汽車で逃走を図る。
 「大列車強盗」(1903)の成功により、似たタイプの作品が多く作られていた。「大列車強盗」を製作したエジソン社で作られたこの作品もその1つ。強盗から逃走まで、展開は似ているものの、「大列車強盗」よりもドンヨリとした展開になっているのは、1つ1つのショットが長いためと思われる。ラストでは汽車同士の激突というスペクタクルを見せてくれ、「大列車強盗」にはない派手な魅力を加えようという意図が感じられる。