エジソン社の作品 1905年(7)

「THE TRAIN WRECKERS」(1905)

 線路上に大木を置いて列車を脱線させようというならず者たちの試みを、1人の女性が防ぐ。ならず者たちは、女性を捕まえて気絶させ、線路上に放置して轢死させようとするが、救出される。最後には、ならず者たちは汽車の乗組員たちによって一網打尽にされる。

 全編ロケで撮影されているこの作品は、「大列車強盗」(1903)の進化版といった作品といえるが、いくつか異なる点がある。

 まず、中心人物が設定されている点。ならず者たちの試みを防ごうとする女性は、ならず者たちに捕まり、命を狙われ、助けられるという(轢死させられそうになるシーンでは、役者ではなくダミー人形が使われ、助けられるために超自然的な動きを見せるのだが)、この後もアクション映画で繰り返し見られるヒロインの役割を果たしている。

 さらに、アクションも工夫が凝らされている。「大列車強盗」(1903)では、馬による追いかけと銃の撃ち合いという比較的単純なものだったが、この作品ではならず者はトロッコに乗って逃げ、追う方が機関車の先頭車両の前に乗って銃を撃つという、機械をうまく使ったアクションになっている。

 この作品は、よく売れたという。それもよくわかる。「大列車強盗」に始まるアクション映画の進化版だ。

 エドウィン・S・ポーターとウォレス・マッカッチョン監督作品。



(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。