エジソン社の作品 1905年(6)

「THE MILLER’S DAUGHTER」

 アーティストと結婚をしようと駆け落ちするも、アーティストには妻と子がいることを知るヘイゼル。ヘイゼルの父(ミラー)は、そんなヘイゼルを家から追い出す。苦しい生活に耐えかねて自殺を試みるヘイゼルだが、1人の男性に助けられる。その男性と結婚して子供ができたヘイゼルは父(ミラー)の元に戻り、父はヘイゼルを受け入れる。

 元々は舞台劇ということもあり、ストーリーはしっかりとしている。ありがちなものではあるが、ストーリーがわかりやすく語られているため、すんなりと世界に入っていくことが出来る。

 セットとロケを組み合わせた演出は、これまでのエジソン社のフィルムと共通することだが、ロケの割合が高くなっている。また、セットも良くできているため、これまでに作られた劇映画よりもリアリティを感じることが出来る。

 とはいっても、演劇を客席から見るような視点(ジョルジュ・メリエス的な視点)は、演技を演劇的に縛り付けたままで、しばしばオーバーなアクションがある。

 この作品は、「ストーリーを語る」という技術の1905年段階での成熟を物語る作品といえるだろう。

 エドウィン・S・ポーターとウォレス・マッカッチョン監督作品。




(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。