エジソン社の作品 1906年(4)

「A WINTER STRAW RIDE」

 エジソン社の作品。エドウィン・S・ポーター監督。

 馬が引っ張るソリに乗っている女性たち。そこに、雪球をぶつける男性たち。女性たちは男性たちを追いかけて、雪を顔にかけるなどして復讐する。

 雪に浮かれて楽しむ若い男女の様子を撮影した作品。これといったストーリーはなく、全体的にホンワカとした雰囲気が漂っている。


 ちなみに、この頃から、全米に5セント(ニッケル)で映画を見せる「ニッケルオデオン」が急増し、映画の需要が急激に増してくる。エジソン社は、舞台のマネージャーで劇作家でもあるサーリー・ドーリーを雇い、ポーターとドーリーの2組の撮影隊を編成して本数を増やした。その一方で、ウォレス・マッカッチョンは退社している。



「EXPLODED GAS TANKS, U.S. MINT, EMPORIUM AND SPRECKELS BLD’G」
 
 爆発したガス・タンクと破壊されたビルを撮影



「ARMY PACK TRAIN BRINGING SUPPLIES」

 馬に乗った兵士たちの行進の様子を撮影。

 サンフランシスコで起こった地震の被災者に、救急用具などを運ぶ最中らしいが、正直言って映像だけでは分からない。



「THE LIFE OF A COWBOY」

 エジソン・マニュファクチュアリング・カンパニー製作・配給 監督・撮影エドウィン・S・ポーター

 「大列車強盗」(1903)の監督エドウィン・S・ポーターによる西部劇。カウボーイの縄を使った妙技などを見せつつ、馬と馬車による追いかけっこなどが展開される。

 ストーリーは分かりづらく、「大列車強盗」と比べて撮影方法にも工夫がないため、18分弱という当時としては長尺の時間が退屈に感じられてしまった。



「WAITING AT THE CHURCH」

 エジソン・マニュファクチュアリング・カンパニー製作 監督エドウィン・S・ポーター

 当時流行していた同名のポピュラー・ソングの内容を基にして映画化された作品である。これまた当時流行していた追いかけを交えて、映画らしさを付け加えた作品となっている。世間の流行を映画の流行にあわせて作られた作品で、当時のヒットを狙うときの戦略が見え隠れする。



(ビデオ紹介)

Christmas Past [VHS] [Import]

Christmas Past [VHS] [Import]

サイレント期に製作された、クリスマスをテーマにした作品集。今も昔も特別な日であるクリスマスは、もちろん映画草創期から取り上げられやすい題材だった。