エジソン社の作品 1907年(1)

「THE “TEDDY” BEARS」

 熊の親子が住む家に、人間の少女が入り込んでベッドで寝てしまう。熊に見つけられた少女は、テディ・ベアのぬいぐるみを手に逃げ、熊の親子が追いかける。少女は1人の猟師に助けられ、猟師は親の熊を撃ち、子供の熊を捕まえる。

 舞台劇と、セオドア・ルーズベルト大統領が猟に出かけた際に子供の熊を撃たなかったという逸話(この話を元に「テディ・ベア」が生まれている)を組みあわせて作られたストーリーだという。

 熊は、人間が着ぐるみを着て演じられている。セットのシーンは馴染んでいるのだが、少女を追いかけるために外に出るとシュールな感じがして、奇妙な魅力を放っている。

 ストップ・モーションによって撮影された熊のぬいぐるみのダンスを、少女が覗くシーンもあり、どこかシュールで牧歌的な雰囲気をたたえた作品となっている。

 が、最後はセオドア・ルーズベルト大統領を模した人物が、熊を射殺するという血なまぐさい展開となる。この急激な雰囲気の転換がまた、この作品を奇妙な魅力を保持することに成功している。

 エドウィン・S・ポーターとウォレス・マッカッチョン監督作品。



(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。