エジソン社の作品 1908年(1)

「RESCUED FROM AN EAGLE’S NEST」

 鷲の巣に連れて行かれた赤ん坊を救出するために、父親が崖をロープを使って降りていく。

 D・W・グリフィスの映画初出演作としても知られた作品だが、グリフィスについてはほぼロング・ショットで撮られていることもあり、これといって触れる部分はない。だが、崖から降りるシーンでは、当時としては危険なスタントにも挑戦している。

 鷲のミニチュアが良くできている。鷲が赤ん坊を連れて飛んでいくシーンでは、書き割りの背景との合成もうまくいっている。

 グリフィスがロープを使って降りていくシーンでは、崖からグリフィスを降ろす人々の様子を映した後に、グリフィスが降りていく様子が映し出される。時間的に重複しているこの語り方は、「アメリカ消防夫の生活」(1903)でも使われていた手法であり、現在では使われていない。エドウィン・S・ポーターのストーリー・テリングの手法が「アメリカ消防夫の生活」当時から変わっていないことがわかる。

 ちなみに、シーンごとにカメラを据え付けて(時折移動撮影はあるものの)カットを割らずに撮影する手法も変わらない。この作品に出演しているグリフィスが、後により映画的な撮影方法、編集方法を磨いていくことになる。

 エドウィン・S・ポーターとサーリー・ドーリー監督作




(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。