「THE WONDERFUL WIZARD OF OZ(オズの魔法使い)」1910年

「THE WONDERFUL WIZARD OF OZ」

 アメリカ、シーリグ社製作の作品。主役のドロシーを演じるのは、この後もハリウッドで活躍していく女優ベーブ・ダニエルズ。

 「オズの魔法使い」の映画化であり、現存している作品の中ではもっとも古い映画化作品だという。映画化作品では、1939年のジュディ・ガーランド主演作「オズの魔法使」が有名だ。カラーでミュージカルでもある1939年度版と比較して、こちらはモノクロ・サイレントである。

 1900年に出版された原作は、1902年に舞台化されており、この作品は舞台化されたバージョンを元にして作られているという。そのためか、ブリキの木こりが吹くピッコロに合わせて、登場人物たちが踊るというシーンがある。残念ながらサイレントのため、音楽は聞こえない。また、着ぐるみのライオンや、ロケではなくセット内で舞台の上を撮影しているかのようなスタイルとなっている。

 全体の印象としては、ジョルジュ・メリエスの作品と同じものを受ける。それは、幻想的なストーリー、舞台を撮影したかのようなスタイル、人が消えるといったトリックの活用によるものだろう。



(DVD紹介)

More Treasures From American Film Arch 1894-1931 [DVD] [Import]

More Treasures From American Film Arch 1894-1931 [DVD] [Import]

アメリカ国内のフィルム・アーカイヴ所蔵の映画の中から選出した貴重な作品群を集めた3枚組みDVD。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。