フランス パテ社の作品 1910年(1)

「ROMEO TURNS BANDIT」

 フランス・パテ社による作品。

 ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の翻案作品で、主演は、喜劇俳優として人気を得ていたマックス・ランデー。

 恋人ジュリエットの父親に交際を反対されているロミオは、狂言誘拐を実行し、自らがジュリエットの父親とともにジュリエットを奪い返すことで父親の信頼を勝ち取るという内容に変わっている。

 喜劇俳優のランデーが出演していることもあり、映画全体は明るく楽しい雰囲気となっている。オリジナルの悲劇性はない。よくよく考えると、「ロミオとジュリエット」とは何の関係もないのだが、「ロミオとジュリエット」の翻案作品だとすることで、恋人同士が親の反対にあっているという状況が何の説明がなくとも理解できるという利点がある。

 この作品は、映像も非常に明快にストーリーを語っている。「ロミオとジュリエット」の枠を借りて、枠以外は6分という短い上映時間にあった作品に仕上げられた好篇といえるだろう。



(DVD紹介)

「SILENT SHAKESPEARE

 サイレント期に映画化されたシェイクスピア原作の映画を集めた作品集。興味深い作品が並んでいるが、基本的に原作を知っている人向けの作品がほとんどのため、「楽しむ」のは少し難しいかもしれない。

 アメリカのamazonから輸入して買うことができるが、もちろん英語。それでも買いたいと思う人は、下記サイトが参考になります。

http://dvd.or.tv/
 
注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。