D・W・グリフィスの作品 1911年(9)

「THE BATTLE」

 D・W・グリフィス監督作品。バイオグラフ社製作。

 南北戦争の戦闘の様子を描いた作品である。ちょっとしたドラマはあるものの、映画の主眼はあくまでも戦場シーンにある。塹壕戦の中、弾薬不足で危機に陥った南軍だが、1人の兵士の活躍によって、弾薬を積んだ馬車を運び込むことに成功し、危機を脱する。

 大人数の兵士役のエキストラや、大規模な銃撃戦による舞い上がる煙など、見所はたくさんある。当時、ストーリーを語る技術を向上させていたグリフィスの作品にしてはドラマ性に欠けるが、この後にたくさん作られていく戦場の様子を描いた作品の演出の雛形とも言える作品となっている。

 グリフィスの監督としての幅の広さが垣間見える作品である。



(DVD紹介)

「The Birth of a Nation & The Civil War Films of D.W. Griffith 」

 日本でもDVDが発売されている「国民の創生」(1915)のアメリカ版DVD。こちらは、「国民の創生」についての特典映像に加えて、「THE FUGITIVE」のような南北戦争を描いたグリフィス監督作品を見ることができる。

 アメリカのamazonから輸入して買うことができるが、もちろん英語。それでも買いたいと思う人は、下記サイトが参考になります。

http://dvd.or.tv/
 
注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。