イタリアの作品 1911年

「INFERNO」

 製作国イタリア ミラノ・フィルム・製作配給
 監督フランチェスコ・ベルトリーニ アドルフォ・パドヴァ

 ダンテの「神曲」の中の「地獄篇」を映画化した作品である。1時間以上に渡る作品で、当時の映画の中では長編の部類に入る。

 映画のメインは、主人公のダンテが見て回る数々な地獄絵図だ。首の3つ生えたケルベロスがよく出来た縫いぐるみで作られていたり、空中に漂う人々を二重露出で表現したりと、様々な映像技法が駆使されている。地獄で苦しむ人々の多くはセミヌードであることも、当時としては野心的だったことだろう。

 ちなみにアメリカのワーナー兄妹は、映画興行師時代に、この映画の輸入興行を行い、大儲けをしたという。