ロシアの映画製作 1912年

 ロシアでは、「カメラマンの復讐」(1912)という作品が製作されている。

 ハンジョンコフ社製作、ヴワジスワフ・スタレーヴィチ監督の動物人形アニメーションである。スタレーヴィチは他にも、「うるわしのリュカニダ」「動物の生活から」(1912)といった動物人形アニメを製作している。

 カブトムシの夫婦がそれぞれ不倫に走り、キリギリスのカメラマンが絡み、意外な結末へと向かう内容。動きが見事で、「本物の昆虫を見事に調教した」という批評まで現れたという。アダルト性やブラック・ユーモアが当時の小ブルジョア有閑階級の退廃を辛らつに皮肉していたという。



(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。。