エジソン社の作品 1912年(7)

「CHILDREN WHO LABOR」

 エジソン社による作品。子供の労働に反対する団体と協力して製作されている。

 資本家の娘が行方不明になる。娘は貧しい移民の家族に拾われ、他の移民の娘たちと一緒に工場で働きだす。皮肉にも、資本家はその工場を買い取り、娘を雇う立場となるのだった。

 子供が工場などでの労働によって搾取される社会の現実を、メロドラマを絡めて描いた作品。なぜ、「子供の労働=悪」という点が前提のため、なぜ子供の労働がいけないのかという説明はなく、メロドラマ色が強い作品となっている。

 とはいえ、最初と最後には上に「GREED(欲)」と書かれた工場に、とぼとぼと入ってく子供たちの群れが描かれるなど、きちんとした自己主張も行われている。

 ちなみに当時、社会問題を告発するタイプの作品は多く作られていたという。エジソン社は多くの団体と提携して、啓蒙的な作品を多く生み出したという。



(DVD紹介)

More Treasures From American Film Arch 1894-1931 [DVD] [Import]

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アメリカ国内のフィルム・アーカイヴ所蔵の映画の中から選出した貴重な作品群を集めた3枚組みDVD。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。