フェイマス・プレイーズの長篇ロードショー制度の確立

 後にラスキー・フィーチャー・プレイ社と合併することになる、アドルフ・ズーカー率いるフェイマス・プレイヤーズ社は、早くから長篇に目をつけていた。ズーカーは、上映時間1時間以上の長編映画による週替わりの上映番組を編成しようと試みた。1913年以来、ズーカーは年36本の長編映画を提供していくことになる。

 ズーカーは製作する映画をABCの等級に分け、製作費にも差をつけた。Aは、舞台の有名俳優が出演する作品。Bは、映画のスターたちが出演する作品。Cは、フェイマス・プレイヤーズの大部屋俳優が出演する、最も制作費が安い作品だった。最も人気があったのは、Bの作品であり、作品もBが中心となっていく。

 1913年の主な作品としては、会社設立第一作となった「ゼンダ城の虜」の映画化である「王者の夢」(1913)や、メアリー・ピックフォード主演の「善良な小悪魔」(1913)がある。


(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。