ジョルジュ・メリエス 最後の映画製作

 「月世界旅行」(1902)から11年、かつて映画製作のトップに君臨していたジョルジュ・メリエスは1913年に最後の作品を製作することになる。パテ社の援助によって作られた「雪の騎士」(1913)、「ブーリション家の旅行」(1913)の2作がそれである。

 「雪の騎士」(1913)は興行的に失敗に終わり、実際の撮影を別の人物に頼んだ「ブーリション家の旅行」(1913)は、あまりの出来の悪さにパテ社はお蔵入りにしてしまった。ジョルジュ・メリエスはこれを最後に映画製作の表舞台から完全に姿を消してしまう。



(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。