ロシア映画 1913年

 ロシアでは、映画の製作本数が増え、1909年には10数本程度だったが、1913年には130本に及ぶ作品が製作されたという。

 ハンジョンコフ社では、社交界ドラマ「幸福の鍵」(1913)が成功した。「幸福の鍵」の監督ヤーコブ・プロタザーノフやエフゲーニ・パウエルは1913年から1914年にかけて社交界ドラマを制作していく(1913年には、エフゲーニ・バウエルのデビュー作「TWILIGHT OF A WOMAN'S SOUL」が公開されている)。特徴としては、悲劇的な結末、センセーショナルな場面、幻想的で不気味といったものが挙げられるという。

 また、政府も映画をプロパガンダに使用し、1913年にはロマノフ王朝統治300記念映画を製作している。だが、ニコライ二世は映画嫌いで、自分の生活を撮影させなかったという。



(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。