映画への規制、検閲 1913年

 映画の人気が高まり、人々の生活に密着していくのに比例して、各国では様々な形で映画への規制や検閲が行われるようになった。

 イギリスではこの年、映画検閲委員会が発足し、映画を一般向けと成人向けに分けて公開するようになった。また、フランスでも最近起きた犯罪を描写した映画の上映が禁止された。

 一方で、これまでローマ教皇によって聖職者は一般映画館での映画鑑賞を禁止されていたが、この年バチカンに聖職者用の映画館がオープンしている。

 スペインでも、バルセロナ市長の要請で映画の検閲が制度化されている。この制度は、制作される前に検閲を行うというものだった。




(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。