「WHAT 80 MILLION WOMEN WANT」

 ユニーク社という映画会社の製作・配給作品。

 当時、アメリカの女性には参政権がなかった(アメリカの女性が参政権を得るようになったのは1920年になってから)。そんな状況の中、女性への参政権を求めるために作られた作品がこの作品である。冒頭では、女性参政権の運動家の紹介もある。

 映画の内容はドラマである。街を牛耳るボス(もちろん男性)に、女性の運動化が立ち向かう様子を描いている。ドラマとしてはそれほど面白みが感じられなかったものの、政治的なサスペンス映画の雛形のような内容となっている。もちろん、メッセージ性は高い。

 この頃にはすでに映画を何らかのプロパガンダとして使用する映画は作られている。たとえば、エジソン社が赤十字と提携して作られた「THE LAND BEYOND THE SUNSET」(1912)などがある。映画の影響力の強さをこの頃のアメリカは気付いていたということだろう。



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