日本 輸入映画(1914)
この年、第一次大戦が始まると、ヨーロッパ映画が製作されなくなり、外国映画専門館が休業したりした。その一方で、戦争映画が流行り出し、戦場シーンがある古フィルムを編集して、新作として公開した。
この年、公開された主な輸入映画は次の通り。
「ポンペイ最後の日」「アントニーとクレオパトラ」「ナポレオン一代記」「生ける屍」(イタリア)、「国なき人」(デンマーク)、「憲兵エビウス」「プラーグの大学生」「真夏の夜の夢」(ドイツ)、「エリザベス女王」「噫無情」(フランス)
ちなみに、この頃までの外国映画は、日活や天活がロンドンにある出張所や横浜の貿易商から買い入れて興行を行った。横浜の平尾商会が名作・大作の輸入者として知られ、平尾商会が経営する横浜オデオン座は輸入映画の試写劇場でもあった。熱心な映画ファンは、横浜まで行き、荷物の封を切ったばかりの作品を見るのを誇りとしていたという(ここから「封切り」の言葉が生まれる)。熱心な映画ファンは「活動ファン」と呼ばれ、「フィルム・レコード」などの同好誌や、プログラムを兼ねた新聞を作ったりした。
(映画本紹介)
- 作者: 田中純一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1975/12/10
- メディア: 文庫
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日本の映画の歴史を追った大著。日本映画史の一通りの流れを知るにはうってつけ。