エジソン社の作品 1914年(3)

「THE ADVENTURE OF THE WRONG SANTA CLAUS」

 エジソン社の作品。「Octavius」というアマチュア探偵のシリーズの最終作。

 ある家族のクリスマス・パーティに呼ばれたOctaviusは、サンタの格好で子供たちを喜ばせるように頼まれる。いざ、サンタの格好になったOctaviusは、彼と同じようにサンタの格好をした強盗に殴り倒される。眼を覚ましたOctaviusは、サンタの格好のまま強盗を追いかけ、ここにサンタとサンタの奇妙なチェイスが始まる。

 ストーリーも撮り方も取り立てておもしろくはないのだが、サンタとサンタのチェイスという設定がコミカルで楽しい。サンタの格好をした男が普通に汽車に乗って席に座っているだけでもおもしろい。別にサンタの格好をしなくてもいいのに。

 「Octavius」シリーズは、この作品のほかに「THE ADVENTURE OF THE HASTY ELOPEMENT」(1914)という作品があるが、こちらの方がクリスマスを舞台にしているということもあってかホンワカとした雰囲気が漂い、コミカルさも高い。

 主人公はあまり魅力があるとは思えないのだが、サンタの格好をしていればそんなことは関係ない。



(ビデオ紹介)

Christmas Past [VHS] [Import]

Christmas Past [VHS] [Import]

サイレント期に製作された、クリスマスをテーマにした作品集。今も昔も特別な日であるクリスマスは、もちろん映画草創期から取り上げられやすい題材だった。