ヴァイタグラフ社の作品 「HEARTS AND DIAMONDS」

 ヴァイタグラフ社製作、ジェネラル・フィルム配給。ジョン・バニー主演、ジョージ・D・ベイカー監督。

 妻を失い2人の娘と暮らすタッパーは、金持ちの女性レイシェルが街にやって来ることを知る。レイシェルの歓心を引こうとするタッパーは、レイシェルが野球好きであることを知り、野球の試合でいいところを見せようとする。

 太っていてあばた面という、一度見たら忘れられない風貌のジョン・バニーは、当時人気のあったコメディアンである。この作品でも相棒を務めている、痩せていてノッポのフローラ・フィンチとのコンビで、人気を集めた。

 この作品を特徴づけているのは、野球である。バットを何本も持ったままバッターボックスに入ろうとしたり、フォアボールで出塁してもどこへ行ったらいいのかわからなかったりという野球ならではのギャグもある。だが、試合の状況(どっちが勝っているのか)といったことが分からずに進むため、楽しみはその場その場の野球ならではのドタバタやギャグということになり、個人的には少し物足りなさを感じた。