トッド・ブラウニング監督、ロン・チェイニー出演作「BY THE SUN'S RAYS」

 ネスター・フィルム製作、ユニヴァーサル・ピクチャーズ配給
 トッド・ブラウニング監督、ロン・チェイニー出演

 とある金鉱の街。金を運ぶときになると、必ずといっていいほど道中で強盗に襲われる。この件を捜査するために街に探偵がやって来て、金輸送のときに強盗に合図を送っていた内部の男が捕らえられる。

 この作品は、この後コンビを組んでいくことになる、ブラウニング=チェイニーのコンビ第1作である。といっても怪奇ものではなく、西部を舞台にした簡単な犯罪物である。

 主役はチェイニーではないが、最も光を放っているのはチェイニーだ。善人ぶっているときの顔と、本性が現れたときの表情のギャップは、あまり表情のない他の登場人物たちの中で異彩を放っている。特に、ヒロインの女性に最初は優しく話しかけているが、受け入れられないとわかると力ずくでキスをしようとするシーンの変貌ぶりは、同時代の似たようなシーンと比較しても怖い。ひとえにチェイニーのおかげだ。