「オズ」シリーズ作「THE PATCHWORK GIRL OF OZ」

 オズ・フィルム・マニュファクチャリング・カンパニー製作、パラマウント配給。L・フランク・ボーム脚本、製作。

 貧しい少年オジョは、叔父さんとともに食べ物を求めてエメラルド・シティへと向かう。途中で、何でも生き物にすることができる魔法を研究している科学者と出会うが、事故から叔父さんが固まってしまう。固まってしまった叔父さんを元通りに戻す魔法のために必要な材料を、オジョたちは探しに行く。

 脚本・製作を担当しているL・フランク・ボームは、「オズの魔法使い」の原作者である。この作品は、「オズの魔法使い」の世界観を基にして作られた、言わばスピンオフとも言える作品である。

 パッチワークで作られた女性を始めとして、ダンボールで作られていると思われる角ばったライオンのような生き物や、一本足で飛び跳ねて生きる人々といったキッチュな登場人物たちは、存在だけで見ていて楽しむことができた。

 その他にも様々なカメラ・トリック(カメラを横に向けて撮影することで、壁を歩いているように見せるなど)を使用して見る者を楽しませてくれるが、やはり同じ会社が製作して、ボームが携わっている「HIS MAJESTY THE SCARECROW OF OZ」(1914)やこの作品を見ると、映画初期にしてメディア・ミックスが行われていたという点の方が興味深い。


(ビデオ紹介)

His Majesty, the Scarecrow of Oz [VHS] [Import]

His Majesty, the Scarecrow of Oz [VHS] [Import]