「オズ」シリーズ作「THE MAGIC CLOAK OF OZ」

 オズ・フィルム・マニュファクチャリング・カンパニー製作、パラマウント配給。L・フランク・ボーム脚本、製作。

 1度だけ願いをかなえることが出来るマントを妖精からもらった少女フラッフは、ひょんなことからノーランド国の王女となり、国を襲ってきた山の上に住む住人たちを撃退するためにマントの力を使う。

 脚本・製作を担当しているL・フランク・ボームは、「オズの魔法使い」の原作者である。だが、この作品はタイトルに「オズ」が入っているものの、基本的に「オズの魔法使い」の世界観とは異なるものである。

 ストーリーは他愛のないもので、ロバを初めとした着ぐるみ動物たちや、ローリー・ローグという名前の山の上の住人(ピエロのような格好でまるまると太っている)の造形といったデザインの部分が、私にとっては最大の見所だった。

 露骨に着ぐるみとわかる(人が入っている関係上、象もカラスもロバも同じくらいの大きさだ)造形は、子供向けの劇団を思わせもする楽しさを感じさせてくれる。