メアリー・ピックフォード出演作「CINDERELLA」
製作国 アメリカ
フェイマス・プレイヤーズ・フィルム・カンパニー製作 パラマウント・ピクチャーズ配給
監督ジェームズ・カークウッド 出演メアリー・ピックフォード オーウェン・ムーア
有名なシンデレラの物語。
思えば、メアリー・ピックフォードにシンデレラほどぴったりの役柄はないだろう。その最大の理由は、等身大で演じることができるからだ。ピックフォードは少女の役柄で知られており、ピックフォード自身はその殻を破りたかったと言われる。シンデレラの役柄は10代後半の設定でも問題なく、ピックフォードの実年齢(公開当時22歳)でも等身大のまま演じることができる。
この作品は、シンデレラ物語の非常にシンプルな映画化だ。物語は誰もが知っている通りで、特に捻りはない。そうなると見所は1つしかない。メアリー・ピックフォードだ。その意味で、ピックフォードのファンにとっては、非常に安心して見ることができる作品だといえる。
ピックフォードは見事にシンデレラを演じている。といっても、普通にいるだけでも十分なのだが。1つだけ、ピックフォードの素晴しさを感じたシーンを挙げよう。それは、舞踏会に行ったシンデレラが王子と2人きりになるシーンだ。ここでピックフォードは、王子に対する胸の高まりに、ほんの少しの恐れの交じった表情を見せる。この表情がなければ、かわいいだけではアメリカの恋人にはなれなかったことだろう。