MPPCの崩壊
1915年、エジソン社を中心としたカルテルであるMPPCに対して、独占禁止法違反の判決が下りた。すでにMPPCは独立系の映画会社の押され、実際上は数年前から力が衰えていた。パテ社は脱退しており、バイオグラフ社は文芸映画の試みに挫折。エジソン社は凡庸な作品しか発表できなくなっており、エジソン社の映画部門を指揮していたジェレマイア・J・ケネディは引退していた。
1915年4月、ヴァイタグラフ社、ルービン社、シーリグ社、エッサネイ社はV・L・S・E社を設立したが、すぐに崩壊した。ルービン社は1917年に消滅、シーリグ社も1917年に消滅、エッサネイ社は1916年にチャールズ・チャップリンが去ると消滅、ヴァイタグラフ社も1916年に100万ドルの損失を出すことになる。
こうしてMPPCは完全に崩壊していくことになる。
この年、MPPC陣が製作した映画としては、エッサネイ社のチャップリン映画のほかに、エジソン社による「THE WONDERS OF MAGNETISM」「BLACK EYES」「THE LONE GAME」などがある。
(映画本紹介)
無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)
- 作者: ジョルジュサドゥール,Georges Sadoul,丸尾定,出口丈人,村山匡一郎,小松弘
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1997/07/01
- メディア: 単行本
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映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。