グリフィス組の作品

 トライアングル社の中で、グリフィスのファイン・アーツ社は、文芸映画を製作した。「イノック・アーデン」の3回目の映画化である「死の結婚」(1915、リリアン・ギッシュ、ウォーレス・リード主演)といった作品を製作したが、興行的にも、芸術的にも失敗に終わったという。

 その他に、グリフィスが監修が行った作品としては、感傷的なメロドラマである「青春」(1915)といった作品があるが、数は少なかった。さらにグリフィスは、「イントレランス」(1916)の監督のため、1916年の中ごろから監修の仕事を破棄してしまったという。

 そんなグリフィスだが、後に大活躍する多くの映画人を育てたと言われている。その名前の一部としては、ジャック・コンウェイアラン・ドワンラオール・ウォルシュヴィクター・フレミング、エーリッヒ・フォン・シュトロハイム、ウッディ・S・ヴァン・ダイク、トッド・ブラウニングといった人物が挙げられる。



(映画本紹介)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。