ダグラス・フェアバンクスの出発
D・W・グリフィス、トマス・H・インス、マック・セネットが中心となって運営されたトライアングル社には、様々な役者が所属し、その中にはダグラス・フェアバンクスもいた。フェアバンクスはトライアングル=ファイン・アーツ社に入社したが、グリフィスは最初からフェアバンクスを拒んだという。フェアバンクスには独特の快活さがあり、グリフィス流の演技をすることができなかったし、グリフィスのテンポに合わせ遅くすることも出来なかった。
そんなフェアバンクスはアニタ・ルース脚本、ジョン・エマーソン監督で風刺的な作品に出演して人気を得ていく。この年は「快男子」(1915)に主演し、予想を上回るヒットを記録している。グリフィスが脚本を担当した「快男子」は、内気な男性が婚約者を救う物語だった。以後、ほぼ1ヶ月に1本のペースでグリフィスが監修を担当したアクション・コメディに主演していくことになる。
(映画本紹介)
無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)
- 作者: ジョルジュサドゥール,Georges Sadoul,丸尾定,出口丈人,村山匡一郎,小松弘
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1997/07/01
- メディア: 単行本
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映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。