エジソン社の作品 1915年(3)

「THE LONE GAME」

 ある兄と妹とその知り合いの3人の登場人物が結核にかかる。兄は不適切な治療で死亡し、知り合いは金持ちだったために適切な治療を受けて治癒する。妹は貧しかったが赤十字の助けを借りて治癒する。歌手を目指していた妹は、自分を助けてくれた赤十字のためにクリスマスのチャリティ・コンサートを開催する。

 結核の特効薬となるストレプトマイシンが開発されたのが1944年であり、この頃結核は重い病気の1つだった。貧しくても赤十字の助けがあれば大丈夫というアピールと、その赤十字へのチャリティのPR映画となっている。

 とはいえ、単純なPR映画ではなく、きちんとドラマとして成立している。特に、妹に心配をかけまいと症状が重くなっているのに妹を安心させる手紙を書く兄の思いが、ベタだが感動的だ。妹が歌手を目指しているというのもラストへの伏線となっており、脚本がしっかりしている印象を受けた。

 Edward C Tayler監督作。



(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。