キーストン社の作品「MABEL AND FATTY'S WASH DAY」

 キーストン社製作 監督・出演ロスコー・アーバックル 出演メイベル・ノーマンド

 メイベルとファッティは隣同士。お互いに伴侶がいるが、あまりうまくいっていない。ある日、散歩中に互いの伴侶が眠っている隙に密会する。

 単純なストーリーだ。チャールズ・チャップリンのキーストン社時代の映画にも、似たようなストーリーの作品があることを考えると、当時のキーストン社がアイデアに工夫を凝らしてはいなかったことがわかる。また、メイベル・ノーマンドとアーバックルにはチャップリンのような「芸」がないこともわかる。

 代わりにあるのは、さわやかさだ。愛らしいメイベル・ノーマンドと、微笑ましいアーバックルの組み合わせは、チャップリン映画にあったいやらしさはない。

 そんなさわやかな二人の組み合わせだが、2人が後にスキャンダルに巻き込まれてキャリアを終わらせることを考えると、なんだか複雑な気持ちになる。そんな作品である。