キーストン社の作品「FATTY AND MABEL'S SIMPLE LIFE」

 キーストン社製作 監督・出演ロスコー・アーバックル 出演メイベル・ノーマンド

 農場の娘であるメイベルと、そこで働くファッティの2人は愛し合っている。だが、メイベルの父親はメイベルを金持ちの息子と結婚させようとする。メイベルとファッティは駆け落ちを決意して車で逃げ出すが、メイベルの父親や金持ちの息子が追いかけてくる。

 一巻物(約15分)が多いキーストン時代のアーバックルの作品だが、この作品は二巻物(約30分)である。少し長い分、メイベルがファッティに向かって牛の乳をかけるといった微笑ましい光景も収まっており、全体的にほんわかとした感じの作品となっている。

 ドタバタにも時間が費やされ、駆け落ちするために猛スピードを出した車がオーバーヒートしてしまったかと思ったら誰も運転していないのに暴走したり、エンジンの爆発でメイベルが(ありえないのだが)吹き飛ばされて高い木の枝にぶら下がるはめになったり、メイベルを助けようとしたファッティが井戸に落ちそうになったりと盛りだくさん。さらには、2人を追いかけてきたメイベルの父親たちも加わって、ロープで木の枝からぶら下がったり、井戸に落ちたりと混乱の度合いが増す。

 明るく、さわやかな、ドタバタに次ぐドタバタ。楽しい作品だ。