バルボア・アミューズメント・プロデューシングの作品「WHO PAYS?: EPISODE 12」

 バルボア・アミューズメント・プロデューシング製作 パテ・エクスチェンジ配給

 当時流行していた連続映画の1つだが、1つ1つエピソードがつながっているわけではない。様々な社会問題を取り上げるというテーマの下に、毎回違ったキャラクターの違った世界を描いていく。

 シリーズの最終作であるこのエピソードは、労働問題を扱っている。製材所で働くカールらの労働者が、重労働を貸すオーナーにストライキを起こすというものだ(木材価格の下落という当時の現実を反映しているという)。

 ストーリー的には、セルゲイ・エイゼンシュテインの「ストライキ」(1925)と通じるものがあるが、印象は異なる。「ストライキ」が労働者の集団を主人公としているのに対し、この作品にはカールという主人公がいる。そして、メロドラマ的な要素がふんだんに盛り込まれている。この2作を比較すると、エイゼンシュテインや初期ソ連映画の特質が浮かび上がってくる。