映画評「THE RAVEN」
製作国アメリカ ザ・エッサネイ・フィルム・マニュファクチュアリング製作 V=L=S=E配給
監督・脚本チャールズ・ブレービン 原作ジョージ・コクラン・ヘイゼルトン
出演ヘンリー・B・ウォルソール、Warda Howard、Ernest Maupain、エレノア・トンプソン、マリオン・スキナー
恋人を失ったポーは、生まれ変わりを求めて幻想を見る。
エドガー・アラン・ポーの詩「大鴉」をクライマックスに取り入れ、先祖や幼少時代を含めたポーの伝記映画として作られている。
二重写しで見せた幻想など、ポーの作品群のように全体にどんよりとした暗い空気が漂った作品である。当時人気俳優だったウォルソールによる演技を始め、死にゆく恋人など演技も暗い空気に大きく貢献している。クライマックスの大鴉が部屋の中に入ってからのシーンは、大鴉の鳴き声を不気味な字幕でみせるなど細部まで凝っている。
ポーをモチーフにした作品の1つとして、貴重な作品といえるだろう。