映画評「MARTYRS OF THE ALAMO」

 製作国アメリカ 別題「THE BIRTH OF TEXAS」
 ファイン・アーツ・フィルム・カンパニー製作 トライアングル・ディストリビューション配給
 監督・脚本クリスティ・キャバンヌ
 出演サム・ド・グラッス、アラン・シアーズ、ウォルター・ロング、アルフレッド・パジェット、フレッド・バーンズ

 1836年のメキシコ軍とテキサス独立軍によるアラモの戦いを題材にした作品。アラモ砦へのメキシコ軍の攻撃とテキサス独立軍兵士や民間人の死、テキサス独立軍の反攻を描く。

 1915年はD・W・グリフィスの「國民の創生」が公開された年である。アメリカ独立戦争ともなぞらえられるテキサスの独立の伝説的戦いであるアラモの戦いを、砂に線を引いてアラモに残ることを希望する者に線を超えさせたという伝説的なエピソードなどを交えながら描いている。メキシコ軍やメキシコ大統領サンタ・アナは悪役として描かれ、テキサス人たちの勇気を称えた作品となっている。

 作品の盛り上げは決してうまくいっているとは言えない。それでもアメリカ人の愛国心を煽る内容は、少なくないアメリカ人にとってそれだけで満足のいくものだったのかもしれない。