ダグラス・フェアバンクスとオー・ヘンリエット

 1915年から人気を得ていたダグラス・フェアバンクスは、D・W・グリフィス監修の作品に出演していた。「ドーグラスの好奇」(1916)は西部からやってきたカウボーイが美しい娘の歓心を買うために奮闘する物語で、成功を収めたという。ジョン・エマーソン監督、アニタ・ルース脚本のコンビによるこの作品は、スポーティな身のこなしで勝利を収めるコメディ調の作品に仕上げてフェアバンクスの長所を活かした。アニタ・ルースはマーク=トウェインやオー・ヘンリーアメリカ的伝統に根ざしたユーモアを持ち、「オー・ヘンリエット」と呼ばれたという。アニタ・ルースの作風は、アメリカの風俗をからかい、なりあがりものの豪奢を笑いものにしたものだといわれている。

 他にもフェアバンクスは「THE MYSTERY OF THE LEAPING FISH」(1916)に出演している。