フランスの連続活劇 

 フランスでは、連続活劇の名手と言われたルイ・フイヤードにより「ジュデックス」(1916−1917)が製作されている。「ジュデックス」は、「ドラルー(LES VAMPIRES)」(1915−16)に向けられた批判から、勧善懲悪的な探偵の美徳を賛美する映画となっているという。

 フイヤードは以後も同じような連続映画を作っていった。また、社交界ドラマも監督して成果を出したが、それ以外では成果を出せなかったと言われている。

 「ジュデックス」はフランス国内でのアメリカ映画の興行的な隆盛に対抗したが、戦争と時代遅れの商売のやり方によって、イギリスやアメリカ市場は当てにできず、ロシアにのみ輸出を行ったと言われている。

 また、連続映画「LES VAMPIRES」にも出演していた子役が、主役の「ブー・ド・ザン」役として出演したシリーズの1つ「BOUT DE ZAN AND THE SHIRKER」(1916)も製作されている。

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)

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