スウェーデン映画 ヴィクトール・ベルイダールの先駆的なアニメ映画

 スウェーデンでは、先駆的なアニメが作られたといわれている。中心人物は、ヴィクトール・ベルイダールという人物である。ベルイダールは、海洋画家・風俗漫画家として活躍した人物で、1915年に初の作品である短編「化物酒」をしている。

 ベルイダールの「フョリンスキー・サーカス」シリーズは1916年から始まった。ユーモアがある作品で、アメリカのウィンザー・マッケイの影響を受けていると言われるこのシリーズは、登場人物は線だけで書かれたスケッチで、背景はなかったという。

 続いてベルイダールは「グロッグ船長」シリーズを1916年から1922年にかけて、合計13本を生み出している。酒好きの老船長グロッグが少年船員を道連れに海の冒険を行うという内容で、人物描写も細かく、背景も描き込まれているという。後期の作品では、人物と背景、動く部分と動かない部分が別々に描かれ合成されたという。

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)

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