フィンランド、スペイン、オーストラリア・・・その他 1916年
フィンランドでは、1904年から1916年の間にかけて、劇映画28本と短編映画312本が製作されたと言われている。この数字には輸出はほとんどなく、国内マーケットのみであり、そう考えると多い数字である。
そんなフィンランドは1917年の独立(それまではロシアの自治区だった)にからむ内戦によって、映画製作は足踏み状態となる。
スペインでは、リカルド・デ・バーニョスは兄弟が、1916年にローヤル・フィルムスを設立している。人気スターのホアキン・カラスコは、「バルセロナとその謎」(1916)に出演している。
第一次大戦への参加により、戦意高揚映画が製作されていたオーストラリアだったが、1916年から8年間にわたり、オーストラリア最大の映画会社であるオーストラレイジアン社は映画製作を中断することになる。代わりにアメリカ映画を優先的に公開していく。
アイルランドでは、アイルランド初の製作者ジェームズ・マーク・サリヴァンにより、アイルランド映画社を設立されている。アーサー・シンクレア主演の短編喜劇を中心に精力的に作品を発表したが、初期のフィルムはイースター蜂起時のダブリンの戦火で消失してしまったという。
無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)
- 作者: ジョルジュサドゥール,Georges Sadoul,丸尾定,出口丈人,村山匡一郎,小松弘
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1997/12/01
- メディア: 単行本
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