ブルーバード映画の日本での人気

 輸入されたユニヴァーサル映画の中で、「ブルーバード映画」と呼ばれた作品が日本では人気を呼んだ。「ブルーバード映画」とは、ユニヴァーサルの1プロダクションであるブルーバード映画社製作映画の総称であり、中でも連続活劇が日本で好評を得た。明るい人情劇でほとんどがハッピーエンドであり、スリルやサスペンスを目的としたものではなかったという。ウェットな感覚が日本人にマッチしたと言われている。「毒流」(平凡な現実の生活を、リアルな表現で描く)「沼の少女」「ポルシチの唖娘」などの作品がある。

 ブルーバード映画はアメリカ映画史においては無名の作品群だが、日本映画史においては日本のアメリカ化を促進したという意味で重要と言われている。後年の帰山教正の「深山の乙女」(1919)や、小津安二郎の「一人息子」(1936)にも影響を与えている。



(映画本紹介)

日本映画発達史 (1) 活動写真時代 (中公文庫)

日本映画発達史 (1) 活動写真時代 (中公文庫)

日本の映画の歴史を追った大著。日本映画史の一通りの流れを知るにはうってつけ。