キーストン社の作品「HE DID AND HE DIDN'T(デブ君の焼餅)」

 キーストン社製作
 監督・出演ロスコー・アーバックル 出演メイベル・ノーマンド主演。

 ファッティとメイベルは夫婦。ある日、学生だったころの男のメイベルの友人が遊びにやってくる。メイベルと学生時代の友人が仲良くしているのを見て、ファッティは嫉妬に駆られる。

 ストーリーが結構複雑で、かつてのキーストン映画の単純さが嘘のようだ。笑いも単純に蹴っ飛ばしたり、殴ったりといったものとは少し異なり、心理的な面が加わっている。たとえば、ファッティを挟んでソファに座っているメイベルと学生時代の友人が互いに目配せすると、ファッティがその視線の間に体を動かして邪魔をするといったものだ。

 アーバックルの短編喜劇の変化を感じ取ることができる。