キーストン社の作品「DANGER GIRL(危険な娘)」

 キーストン・フィルム製作 トライアングル・ディストリビューティング配給
 出演グロリア・スワンソン ボビー・ヴァーノン出演

 スワンソン演じる主人公の女性は、恋人ボビーの目が他の女性に行っていることを知って嫉妬。男装して、ボビーが他の女性にちょっかいを出せないように、邪魔をする。

 この頃、スワンソンとヴァーノンは、チャールズ・チャップリンらが抜けた後のキーストンで作られた短編コメディで共演していた。

 単純な恋の鞘当てに過ぎないのだが、登場人物が多いこともあって、ストーリーが分かりづらかった。チャップリンやロスコー・アーバックルのようなパッと見て伝わってくる個性がないというのも分かりづらかった要因の1つかも知れない。

 スワンソンが女装するという点以外は、特にこれといった特徴がなく映画は進む。このまま終わるかと思っていたら、ラストで暴走した車がレストランに突っ込むという規模の大きなカタストロフィが待っていた。アイデアではなく規模の大きさで取り繕った感はあり、キーストンの悩みが伝わってくるようだが、かなり迫力のあるシーンとなっている。当時のキーストンはマンネリ化から脱却するために、規模を大きくしたりすることで工夫を凝らしていたが、それは製作費の高騰を招くことになった。この作品にはその一端がうかがえる。

Gloria Swanson Collection [DVD]

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