キーストン社の作品「BOMBS!」

 キーストン・フィルム・カンパニー製作 トライアングル・ディストリビューティング・コーポレーション配給
 監督フランク・グリフィン 製作マック・セネット 出演チャールズ・マレイ ルイズ・ファゼンダ

 市長に就任した男は、ある男に警察署長してやるという約束をしていたが、それを破ったために爆弾を仕掛けられる羽目になる。

 玉に導火線がついたコントで見るような爆弾を、何人かの人たちが押し付け合うといった、この後も多くのコントなどで見られるギャグの最初期のパターンを見ることができる。また、爆弾の爆発により3人の男たちが吹っ飛び、家の屋根の上に設置された貯水槽に落下。衝撃で貯水槽が壊れるギャグでは、あり得ないくらいの水が溢れ出して楽しませてくれる。

 残念なのは、ストーリーが複雑なこと。当時のキーストン社の作品は、それまでの単純なスラップスティックが観客に飽きられたことから、ストーリーも工夫しているのだが、この作品は複雑になったことで分かりにくくなっているに思える。

 ラストは、車や馬の海への墜落など、大規模なカタストロフを見せてくれるが、先に挙げたストーリーの複雑化と共に、単純なスラップスティックからの脱却にもがく様子が感じ取れる。