映画評「WHERE ARE MY CHILDREN」

 ロイス・ウェーバー・プロダクション、ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチュアリング製作
 ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチュアリング配給
 監督フィリップス・スマリー、ロイス・ウェーバー 

 地方検事のウォルトン産児制限の反対論者。ある日、メイドの娘が闇の堕胎による手術を受けて死んでしまい、堕胎医を告発する。

 当時アメリカでは、マーガレット・サンガーによる産児制限運動が論争を呼んでいた。冒頭でウォルトン産児制限についての書籍を発行した人物を告発し、有罪を勝ち取る。これは、実際にサンガーが告発された内容と同じものだったという。

 映画は産児制限に反対の立場を取っている。産児制限論者が理由とする貧しい人々の妊娠が、不幸をさらに拡大するといった主張も紹介され、公平性を保っているようにも見える。だが、それ以上に組織的に堕胎を紹介するシステムが確立されており、しかも堕胎をする人々の理由が「気楽な生活を送りたい」といった享楽的でなものであるため、産児制限が悪であるかのように感じられる。

 ストーリーとしてはかなり極端で、問題は自分勝手な理由による堕胎や、堕胎によって金儲けをする医者たちにあるように思える。極端な例を持ってきて、産児制限全てを批判するかのような話のもって生き方には抵抗を覚えた。