映画評「KING LEAR」

 THANHOUSER製作 パテ・エクスチェンジ配給 出演フレデリック・ウォード

 ウィリアム・シェイクスピアの有名な舞台劇の映画化である。当時、リア王を舞台でも演じていたというフレデリック・ウォードが主演している。

 シェイクスピア劇は、1916年以前から映画化されてきたが、観客がストーリーを知っていることを前提として、舞台の有名な役者の演技を見ることを売りにしたものが多かった。しかし、この作品は、ロケを多用し、映画として「リア王」の物語を楽しめるように作られた作品といえるだろう。

 60分という短い時間のため、あらすじを追っていると印象はぬぐえない。また、戦闘シーンは迫力があるとは言えない。それでもなお、映画が映画として、シェイクスピア劇の面白さを伝えようという意志が感じられる作品である。