その他のアメリカのアニメーション映画 1916年
「THE PHABLE OF THE PHAT WOMAN」(1916)
製作国アメリカ インターナショナル・フィルム・サービス製作・配給
監督・作画ラオール・バー 監督・脚本トム・E・パワーズ
2分程度のアニメーション映画。
太めの女性が、ダイエットを決意。走ったり、サウナに入ったりと悪戦苦闘するが、体重は減るどころか逆に増えてしまう。というワンアイデアで作られた作品である。小さな虫みたいなキャラクターが、かわいい。
「MR. NOBODY HOLME BUYS A JITNEY」(1916)
製作国アメリカ インターナショナル・フィルム・サービス製作 脚本トム・E・パワーズ
車が動かなくて困っている主人公は、車の底面に火をつけてみる。
2分弱のアニメーション映画で、ワンアイデアで作られた作品だ。「THE PHABLE OF THE PHAT WOMAN」(1916)にも登場する、小さな虫みたいなキャラクターが、かわいい。
「KRAZY KAT GOES A-WOOING」(1916)
製作国アメリカ インターナショナル・フィルム・サービス製作
脚本ジョージ・ヘリマン 作画フランク・モーザー、レオン・サール
飛行機に乗ったネコが、愛するネズミの家へ向かう。ネズミの家の前で、ネコはセレナーデを歌う。
3分程度のアニメ映画。何ということはない作品と言ってしまえばそれまでだが、動物を擬人化しているには注目する必要がある。後の「ミッキー・マウス」や「トムとジェリー」など、動物を擬人化したアニメが人気を博すことになる。ネコの「KRAZY KAT」は、動物の擬人化の最初期の例と言えるだろう。
「KRAZY KAT, BUGOLOGIST」(1916)
製作国アメリカ インターナショナル・フィルム・サービス製作
脚本ジョージ・ヘリマン 作画フランク・モーザー、レオン・サール
ネコと恋人のネズミが、虫研究に出かけ動かないハチに出会う。
動物を擬人化した最初期のアニメーション映画「KRAZY KAT」シリーズの1つ。ネコとネズミが恋人同士というのも珍しい。話自体に特徴はないし、技術的にも特筆すべきものはないが、愛らしい作品ではある。
「KRAZY KAT AND IGNATZ MOUSE AT THE CIRCUS」(1916)
製作国アメリカ インターナショナル・フィルム・サービス製作
脚本ジョージ・ヘリマン 作画フランク・モーザー、レオン・サール
ネコと恋人のネズミがサーカスに行く。動物を擬人化した最初期のアニメーション映画「KRAZY KAT」シリーズの1つ。
派手なサーカスの出し物に、ネコとネズミが絡むとかと思いきや、絡まない。その点は少し期待外れだが、臆病者と言われたネズミが、人間の女性を脅かして臆病者ではないことを証明してみせるという展開は、なかなか微笑ましい。
「BOBBY BUMPS STARTS A LODGE」(1916)
製作国アメリカ J・R・ブレイ・ステュディオズ製作、パラマウント・ピクチャーズ配給
監督・脚本・作画アール・ハード 製作ジョン・ランドルフ・ブレイ
主人公のボビーと黒人の少年は、熊に襲われたりする。6分程度のアニメ映画。黒人の少年の造形がステレオタイプなのが気になった。
「MARY AND GRETEL」(1916)
製作国アメリカ ピーター・パン・フィルム・コーポレーション製作 製作ハワード・S・モス
命を得た人形のメアリーとグレーテルは、ウサギやドワーフたちに出会う。
既存の人形を使っていると思われ、寝ている間におもちゃたちが遊んでいるかのような楽しさと幻想性がある。
「NEVER AGAIN! THE STORY OF A SPEEDER COP.」(1916)
製作国アメリカ インターナショナル・フィルム・サービス製作
監督・脚本トム・E・パワーズ 作画ラオール・バー
スピード違反の車を取り締まろうとする警官だが、バリケードを作っても破られてしまい、散々な目に会う。
インターナショナル・フィルム・サービスは、ラオール・バーが作画を担当した数分程度の短編アニメ映画を多く製作していた。この作品もその1つ。
「いかれ猫 Gの文字について討論する」
製作国アメリカ 原題「KRAZY KAT AND IGNATZ DISCUSS THE LETTER "G"」
インターナショナル・フィルム・サービス製作 監督グレゴリー・ラ・カヴァ
ネコとネズミのキャラクターが「有名人にはGがイニシャルの人が多い」という議論をする短編アニメ。新聞の4コマ漫画のようなテイストの作品。
「いかれ猫 彼が私を夢中にさせた」
製作国アメリカ 原題「A Duet」 インターナショナル・フィルム・サービス製作 脚本ジョージ・ヘリマン
ネコがネズミをやっつける(と思い込む)が、いなくなって寂しくなるという内容の作品のアニメ。
「ボビィ・バンプスとヤギ車」
製作国アメリカ 原題「BOBBY BUMPS AND HIS GOATMOBILE」
J・ブレイ・ステュディオズ製作 パラマウント・ピクチャーズ配給
監督・脚本・作画アール・ハード 製作ジョン・ランドルフ・ブレイ
ボビィは、ヤギを動力源にした車で、女の子と暴走ドライブを楽しむという内容の短編アニメ。
ヤギを自動車に見立てて、燃料補給をするといった描写が楽しい。当時は自動車の普及期で、実写でも多くの自動車をフィーチャーした映画が作られた。そういった世相が感じられもする。
「ボンヘッド教授の難船」
製作国アメリカ 原題「PROFESSOR BONEHEAD IS SHIPWRECKED」
Société des Etablissements L. Gaumont製作 監督・製作・脚本・作画ハリー・パーマー
未知の島に辿り着いたボンヘッド教授の災難を描いたアニメ。当時としては細密な波の描写が光る。