アーバックル、ロイド、シーモン、ローレル&ハーディ・・・その他のコメディアンたち


 ロスコー・アーバックルは、バスター・キートンがチームに参加する前にも「デブ君の化けの皮」(1917)などに出演している。

 ハロルド・ロイドは、まだ高い人気を得るには至っていなかったが、短編の「ロイドの舞台裏」(1917)などに出演している。

 現在では忘れられている喜劇俳優であるラリー・シーモンがこの年、ヴァイタグラフ社からデビューしている。 山高帽、ズボン吊りのついた灰色のズボン、短い袖のシャツ、白塗りの顔に大きな鼻と道化師的なキャラクターを演じたシーモンは、機械的でナンセンス、お定まりのギャグにトリック撮影によるギャグを付け加えた映画を作ったと言われ、シーモンは一時期、ロイド、アーバックル、チャップリンと張り合う人気を得ていたという。

 また、1920年代の後半から人気コンビとしてコメディを送り出していくスタン・ローレルとオリバー・ハーディの2人が、2巻物の短編「ラッキー・ドッグ」で初共演している。共演はこのときだけで、正式にコンビを組むのは1927年からとなる。

 チャールズ・チャップリン、ロスコー・アーバックルなどスターたちが軒並み移籍してしまったキーストン社だが、グロリア・スワンソン主演の「雨中の逃亡」「THE SULTAN'S WIFE」(1917)などを製作している。

 パラマウントでも短編コメディは作られていた。この年は、ヴィクター・ムーア主演で「THE WRONG MR.FOX」(1917)などが作られている。



(映画本紹介)

バスター・キートン自伝―わが素晴らしきドタバタ喜劇の世界 (リュミエール叢書)

バスター・キートン自伝―わが素晴らしきドタバタ喜劇の世界 (リュミエール叢書)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈1〉1914‐1920 (世界映画全史)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)

無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)