その他のフランス映画
フィルム・ダール社で映画を製作していたアンリ・プークタルは、この年「巌窟王」(1917)を監督している。物語は簡単だが、カット割り、照明、風景などがすばらしかったといわれている。
ルイ・メルカントンは、大女優サラ・ベルナール主演の「フランスの母たち」(1917)を製作している。
ジョルジュ=アンドレ・ラクロワは1911年からゴーモン社の監督となった人物で、ルイ・フイヤードから映画製作を教わった。第一次大戦前に100本以上の作品を監督(フィルム・ダール社での作品が多かった)し、1914年に召集され、陸軍映画部に配属されていた。そんなラクロワはこの年、「著作は残る」(1917)を監督している。
映画に自然主義を求めたアンドレ・アントワーヌは、メロドラマの「犯罪人」(1917)を監督しているが、自らが提唱した自然主義は実践できていなかったと言われている。
昨年(1916年)に映画監督としてデビューしていたジュルメール・デュラックは、「家庭騒動の中で」(1917)「不思議なジェオ」(1917)を監督している。
また、後に監督として活躍していくマルセル・レルビエが、「呪の滝」(1917)で脚本家として映画界デビューしている。レルビエは、後に1920年代の「フランス印象派」の代表的監督のひとりとなる人物で、視覚的要素を重要視した審美的作品で純粋映画の興隆を促したといわれている。第一次大戦時に陸軍の映画班に配属されたのを契機に映画と関わりを持つようになっていた。
ルイ・フイヤードは、連続映画「ジュデックス」(1916)の続編である「後のジュデックス」(1917)を監督している。物語的には前シリーズ同じで、悪漢による誘拐など、おなじみの展開が繰り広げられたという。
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