ミューチュアル時代のチャップリンの作品「チャップリンの霊泉」
原題The Cure 製作国アメリカ
ローン・スター・コーポレーション製作 ミューチュアル・フィルム・コーポレーション配給
製作・監督・脚本・編集・出演チャールズ・チャップリン 出演エドナ・パーヴィアンス
湯治場へやってきたチャーリーは、宿泊客やホテルのスタッフ相手にドタバタを繰り広げる。チャップリンは持ち込み禁止のアルコールを持ってきており、それをホテルのスタッフが霊泉に投げ込んでしまう。霊泉を飲んだ宿泊客たちはみんな酔っ払ってしまい、チャーリーも霊泉を飲んでしまう。
回転ドアをチャップリンに与えれば、見事にくるくる回るギャグを披露してくれるし、巨漢のマッサージ師とも追いかけっこも台1つで単純なドタバタから芸のあるドタバタに変えてみせる。この頃のチャップリンが、視覚的ギャグの分野で、道具一つあれば一味違ったものにできる実力を持っていることが「チャップリンの霊泉」でもわかる。
当時社会問題ともなっていたアルコールを扱っていたとはいえ、決して説教臭い内容にはなっていない。酔払い芸はチャップリンの十八番でもあり、アルコールは決して害悪しかもたらさないものとは描かれていない。
ちなみに、私が見た活弁バージョンと音楽のみのバージョンでは結末が微妙に異なっていた。音楽のみのバージョンでは、エドナと仲良しになったチャーリーが湯治場を出て行こうとして、霊泉の源泉に落ちてしまって終わりとなる。活弁バージョンでは、酒入りの霊泉を飲んだチャーリーが酔っ払って、プールに落ちて終わりとなる。
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